話しやすい雰囲気をつくる
「ちょっとしたことでも相談できるといいけれど、上司と話すと緊張する」「上司と話すとものすごく疲れる」という風に部下から思われていませんか?皆さんは部下の話を聞くときにどんなふうに聞いているでしょうか。今回は部下との会話で、話やすい雰囲気をつくるということついてお伝えします。
目次
- ○ 部下が話しづらい態度をとっていませんか
- ・1.部下の方を見ずに話す
- ・2.攻撃的な態度
- ・3.偉そうな態度
- ・4.神経質な態度
- ○ ペーシングで話しやすい雰囲気をつくる
- ・バーバルペーシング
- ・ノンバーバルペーシング
- ・話しやすい雰囲気づくりは信頼関係構築につながる
部下が話しづらい態度をとっていませんか
部下との会話をするときに、以下のような状態になっていませんか?
1.相手の方を見ずに話す
2.攻撃的な態度
3.偉そうな態度
4.神経質な態度
このような態度は、話しやすい雰囲気とは言えません。もしも、一つでも気になる態度がないか振り返ってみてください。
1.部下の方を見ずに話す
机の前のパソコンで作業をしていたり、資料を見ながら考え事をしているときに部下から話しかけられたとき、どうしていますか。
パソコンの画面を見ながら部下の話を聞いたり、資料を見ながら話を聞くということはしていませんか。
作業中であれば、いったんパソコンのキーボードから手を放す。資料を見ていたら、いったん資料を置く。
そうして、部下の方に体を向けて、部下の方を見て話すことが大切です。
作業をしながら話を聞かれたら部下はどう思うでしょうか。「私の話は大したことないと思っているのだろう」「自分のことに関心がないのだろう」といった感情はわくかもしれません。何より、「自分のことを大切にされていない」と思うのではないでしょうか。
「目の前の仕事の期限が迫っている。」「今日は絶対に定時で帰らないといけないので、1分でも時間を無駄にできない。」など部下の話を聴く余裕がないというときもあると思います。
そんなときでもいったん作業を止めて部下の方を見て「すぐに作らないといけない資料があるので、それが終わったら10分くらい時間が取れるんんだけど、それからでも構わないかな?」と部下に確認して作業に戻れば良いのです。
2.攻撃的な態度
部下の話を聴いているうちに、「自分がいつも言っていることを理解していない」という思いや感情が出てきたり、自分の意にそぐわないことを言ったときに、無意識に眉間にしわが寄ったり、急に声が大きくなるようなことがありませんか。
直接的な言葉で部下の発言を否定しなくても、このような態度で話を聞いていると、部下は萎縮してしまいます。
上司であるという時点ですでに優位に立っているということを考え、穏やかな表情、冷静な態度で部下の話を聞くことが大切です。
3.偉そうな態度
部下の話を聞くときに、腕を組んだり足を組んで話を聞いていませんか。
腕を組む、足を組むことで、相手に壁をつくっている印象を与えることになります。
また、怒っているという印象や考え事をしているように見えるかもしれません。
いずれにしても、相手を警戒させる可能性があり、安心して話す雰囲気にはなりづらいと言えます。
部下と話すときは、腕を組んだり足を組まずに話した方が部下は安心して話すことができます。
4.神経質な態度
ボールペンを「カチカチ」鳴らす。
指で机をコツコツと叩く。
貧乏ゆすりをする。
といったことをしながら部下の話を聞いていませんか。このような態度はイライラしているという印象を与えます。
相手もその行為が気になって落ち着いて話すことができません。
ボールペンを「カチカチ」鳴らしたり、指で机をコツコツと叩くことを無意識にしてしまう人は、机の上で軽く手を組んで話を聞くと良いかもしれません。
ペーシングで話しやすい雰囲気をつくる
ペーシングとは、相手の呼吸や話すスピード、言葉、話の内容、声のトーン、表情などを相手に合わせることです。
ペーシングには言葉によるバーバルペーシングと言葉以外によるノンバーバルペーシングがあります。
ペーシングによって、相手に「あなたの話を聞いていますよ」というメッセージを伝えることができます。
バーバルペーシング
バーバルペーシングを3つご紹介します。
①オウム返し
・「先週とてもうれしいことがありました」と相手が話したら、「とてもうれしいことがあったんですね」というように、相手が言ったことをそのまま返します。
②相づち
・「はい」「ええ」「なるほど」「たしかに」「そうなんですね」など、感じたことを音声的に表現して返します。
③要約
・「今言われたことは、○○だということですね」というように、相手が話したことを、要点を短くまとめえて返します。
特に、②相づちは、相手の話を聴くことに集中していないとできません。
何を話そうか、どんな意見を言おうかと自分に集中しているときは、おそらくできないはずです。
また、相づちをするときに、声を高くする、低くする、速く相づちを打つ、ゆっくりと相づちを打つ、小さく打つ、大きく打つ、軽く打つ、重厚に打つなど、相手の話す内容や声の調子に合わせて相づちを打つことができると、より効果的です。
ノンバーバルペーシング
ノンバーバル・ペーシングとしては、
・うなずき
・姿勢
・呼吸
・視線
・声のトーン
・表情
・身振り手振り
といったものを相手に合わせて会話をします。
話しやすい雰囲気づくりは信頼関係構築につながる
1.相手の方を見ずに話す
2.攻撃的な態度
3.偉そうな態度
4.神経質な態度
をやめて、
バーバルペーシング、ノンバーバルペーシングを行いながら、話しやすい雰囲気をつくりながら部下と会話をすることができるようになると、話す側と聞く側の間に一体感が生まれてきて、部下は安心して会話をすることができるようになります。
上司はこのようなコミュニケーションを繰り返していくことによって、部下との信頼関係を築くことにつながっていくのではないでしょうか。