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クローズド・クエスチョンとオープン・クエスチョン

質問は大きく分けて2種類あります。クローズド・クエスチョンとオープン・クエスチョンです。コーチングではどちらの質問も使いますが、9割くらいはオープン・クエスチョンを使っていると思います。今回はそれぞれの質問の特徴をお話したいと思います。

目次

クローズド・クエスチョンとオープン・クエスチョンの特徴

オープン・クエスチョンは日本語にすると「開かれた質問」、クローズド・クエスチョンは「閉じられた質問」となります。
コーチングではオープン・クエスチョンを多用しますが、クローズド・クエスチョンが決して悪いわけではありません。
ただ、私たちは普段、どちらが正しいのか?何が正解なのか?といった善し悪しの判断をしたくなることが少なくありません。
ですので、知らず知らずのうちにクローズド・クエスチョンを多く使っている可能性があります。
オープン・クエスチョンは気づきを促したり、創造性を引き出すという点で効果的な質問になることが多いのです。

クローズド・クエスチョン

クローズド・クエスチョンは問われた人が「はい(YES)]または「いいえ(NO)」で答える質問です。
選択肢AかBの2つしかない場合もクローズド・クエスチョンになります。
クローズド・クエスチョンは
① 事実を確認するとき・・・「この仕事はあなたがやってのですか?」
② 早急に答えを出す必要があるとき・・・「この書類をAさんに渡したらいいの?」
③ 責任を伴う約束を確認するときに・・・「本当にあなたが一人でやるのですか?」
に有効な質問です。

オープン・クエスチョン

オープン・クエスチョンは問われた人が自由に答える質問です。
オープン・クエスチョンは
① 相手の考えを問うとき・・・「あなたはどう思うの?」
② 相手の気づきを促すとき・・・「それって相手からみるとどんな風に見えると思う?」
③ 相手の創造性を高めるとき・・・「もしもこのプロジェクトがとんでもなく成果を上げるとしたら何が要因になると思う?」
に有効です。
そして、オープン・クエスチョンは5W1Hの疑問詞で作られます。
What(なに・どんな)・・・何があればできる?
Why(なぜ・どうして)・・・どうしてそう思うのか?
How(どのようにして)・・・次はどういうふうにやる?
Who(誰)・・・誰にやってもらう?
When(いつ)・・・いつまでに完成させる?
Where(どこで)・・・どこでやったらいい?
コーチングの場合、What、Why、Howは発見の疑問詞といって主にコーチングセッションの最初や中間で使います。
Who、When、Whereは行動計画立案の疑問といって主にコーチングセッションの終わりの方で行動につなげるために使います。

コーチングではオープン・クエスチョンを多用する

クライアントが今までじっくりを考えたことがなかったことについて質問する。
クライアントがいつも見ている視点とは違う視点から見ることができるような質問をして気づきを促す。
クライアント自身の枠組みを外して、いろいろなアイデアが出せるような質問をして創造性を高める。
このような場面がコーチングのセッションではたくさんあるので、当然、オープン・クエスチョンで問いかけることが多くなります。
クライアントに真実を確認するときに、クローズド・クエスチョンで「本当にそう思っていますか?」ときいたり、「絶対にそれをやりますか?」と意志を確認することはありますが、多くはオープン・クエスチョンで質問をします。

子どもとのやり取りでの気づき

私たちは普段、どちらが正しいのか?何が正解なのか?といった善し悪しの判断をしたくなることが少なくありません。
ですので、知らず知らずのうちにクローズド・クエスチョンを多く使っている可能性があります。
私もよくやってしまいますが、息子が宿題をやっているかどうかを確認するときに、「宿題やった?」とクローズド・クエスチョンで聞きます。
聞かれた息子の立場になって考えてみると、「宿題やってないんじゃないの?」というメッセージが伝わってきます。やっていないということが前提で聞いているように伝わるのです。
息子が宿題をやっていたら、「もうやったよ!」となりますが、やっていなかったら、「言われんでもわかってるよ!今やろうとしよるんじゃから!」と反発するような返事が返ってくるのではないでしょうか。
ここをオープン・クエスチョンで、「宿題どんな?」と聞くとどうでしょう。
宿題をやっていたら、「さっき全部終わったよ」となりますし、やっていなかったとしても、「今やる準備をしよる。今からやるよ。」と穏やかな返事が返ってきます。
職場でもどうでしょうか。「昨日頼んだ書類作成やった?」とスタッフに聞くと「まだやっていないんじゃないの?」というメッセージが伝わる可能性があります。
「昨日頼んだ書類作成はどう?」と聞いた方が聞かれた側の印象は良いのではないでしょうか。

急いでいたり、早く答えが欲しいときには、ついつい、クローズド・クエスチョンで質問をしがちです。
少し考えて、5W1Hを使ったオープン・クエスチョンで相手に問いかけてみてはいかがでしょうか。
相手との会話が違ったものになるかもしれません。

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